LPデジタル化計画 オーディオ 2017年01月27日 16:35   編集

363の音が激変する?

パワーアンプをnmodeX-PW1に変えてBOSE363もまだまだ聴けるという認識を新たにしたが、スピーカースタンドを変えることで、さらに劇的な音質の改善がはかれるという記事を見つけた。
http://www.family-arts.com/sidep_report/bose363setting/ibaraki-t-bose363_report.htm

サイドプレス方式のスピーカースタンドを使う方法だが、紹介されていた記事はかなり変則的なセッティングをするようだ。BOSE363は元々フルレンジユニット単体だった121の高域と低域をカバーするためにツイーターとウーハーを搭載した242を合体させたスピーカーシステムだが、2つのエンクロージャーを面で合体させていることがよろしくなく、お互いに音をスポイルしているという。また純正のスピーカースタンドも余計な付帯音の原因になり、定位もなくしまりのない低音になってしまっているということだった。
いわれてみればそのような傾向はあると思う。363は高域の女性ボーカルをつややかにならしてくれるのが気に入って手に入れたスピーカーだが、当初から低域はなんか締まりがなくボワンと鳴っているという印象が確かにあった。
パワーアンプ交換によってかなり改善されたとは思うが、それほど効果があるのなら試してみたいと思った。

天地逆 前後逆

紹介されていたセッティングは、121と242を分割し、121のみサイドプレススタンドにセッティングした上、242は純正スタンドも外し、天地逆さまにしたスタンドの上に242を置くという、変則的かつ大胆なものだ。
363はバーズアイメイプル調に仕上げられたエンクロージャーが美しく、純正のスタンドもデザインが統一された瀟洒なルックスも気に入っていた部分のひとつだったので、この大胆なセッティングは少々抵抗もあったが、スピーカーは音が一番と思い、メーカーのFAPSに問い合わせのメールを送った。
すると、すぐに丁寧な返信が届いた。

セッティングの説明によると、サイドプレススタンドを使用するのは121部分のみで、242はスタンドには一切接触しない状態で設置する。
うまい具合にスタンドの下部分に242+純正スタンドがすっぽり収まるスペースがあるので、サイドプレススタンドに触れない状態で設置すると、分割後も一体になっているように見えるが、完全に121と242は別々に設置されることになる。
サイドプレススタンドの通常の使い方だと、スピーカーを設置するのはスタンドの上部で、下4分の3ぐらいは何もないスカスカの状態になるので、スピーカーが空中に浮かんでいるような印象を受けるらしい。
この空間に242がすっぽり収まる。サイドプレススタンドは363に合わせたサイズではないはずだが、少しでも幅奥行き、高さが大きかったら収まりきれないスペースだ。
サイドプレススタンドは後方2本、前方1本の支柱でスピーカー支持部分を支える構造になっていて、その3本の支柱の中に242を納めることになるので、通常のセッティングでは242のど真ん中に前方の支柱が通ることになってしまう。
音質的には問題ないのだろうが、見た目がやはり変なので、363のセッティングではスタンドを前後逆に置くように指示されている。
363のスタンドは上下逆に、サイドプレススタンドは前後逆ということになる。このような変則的なセッティングをする例は、FAPSでも他に例がないようだ。
ウチでセッティングするのも問題なさそうなので、購入することにする。

問い合わせのメールで、昔から使っている手製のベース(コンクリートブロックの空洞部分にセメントを流し込み、上下をベニア板でサンドイッチにしたもの)を併用しても問題ないかも問い合わせたが、使用しない方が音の輪郭が明確になるとのことだったので外すことにする。

スピーカーケーブル交換

121と242は元々完全に合体しているが、両方に信号を流すためにごく短いスピーカーケーブルで接続されている。今回のセッティングではすこし距離が開くので、この短いスピーカーケーブルでは届ず、ケーブルを変える必要がある。アンプとスピーカーをつなぐケーブルも、これまでごく普通のケーブルを使っていたが、これを機にメインのケーブルごとちょっといいケーブルに変えることにする。Zonotone6NSPというケーブルにする。

363の場合、ちょっと特殊なセッティングをするということもあってか、スタンドを注文するとメールで、セッティング上の細かな注意点をまとめた図解入りの説明を送ってくれた。やはりスピーカーの周りのスペースをきちんと取ることが重要ということだが、スタンドが届く前にこのスペースを確保するだけでも音の定位がかなり改善した。

重要なのは左右のスピーカーの間にものを置かないということだ。AVにも使用するので、間にテレビを置く必要があるが、テレビをスピーカーより前に出してはいけないということになる。これはなんとかクリアできるが、スピーカーの左右、後方にも物を置いてはいけないというのが、狭い部屋に置いている関係で難しいが整理するとその分定位が良くなった。

サイドプレススタンドを使ったセッティングが終わると、中低域がさらに引き締まった音になった。中低域をぼやけさせていた余計な付帯音がなくなった感じだ。音の変化の傾向としてはパワーアンプをX-PW1に更新したときの変化と似ている。当初から不満だったBOSE363の中低域の締まりのなさはこれで完全に解消された。購入から20年目にしてようやく本来の音を出せるようになったと考えると、感慨深いものがある。

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