PCオーディオ 2018年07月04日 17:55   編集
珍しくJPLAYからメールが来た。バージョンアップのお知らせかと思ったら、JCATショップのSATAケーブルの案内だった。
https://jcat.eu/audiophile-sata-cable/
メールもリンク先のサイトも英文だが、音質を改善するSATAケーブルを開発したということのようだ。

SATAケーブルで音質が変わるのか? SATAケーブルはマザーボードのSATAコネクタとハードディスクやDVDドライブなどを接続するケーブルで、音源を内蔵HDDやSSDに保存しているならそこからデータを読み出してマザーボードに伝えるまでSATAケーブルを通る。確かにPC内はノイズだらけということなので、標準のSATAケーブルがノイズに対して無防備ということなら、対策を施したSATAケーブルに変えることには意味があるのかもしれないが、どれくらいの効果があるのだろう?
SATAケーブルが関わるのはHDD/SSDからマザーボードまでで、マザーボードからいったんメモリに読み込まれた以降は一切関係ないはずだ。この内蔵ストレージからマザーボードまでの間でビットパーフェクトが崩れることがあるのだろうか。
ここでデータの欠落があれば当然OSの誤り訂正機能で復元された上でメモリに送られると思うので、多少の欠落が発生したとしても音楽データの内容に影響はないような気がする。
影響があるとするなら、誤り訂正処理を行うことによってCPUに余計な負担がかかるということだ。
JPLAYの場合、CPUに余計なことをさせないということが高音質化へのキーワードとなっているようで、一見音質と関係ないと思うようなことでも、PC上でCPUの負荷を増やすようなことをすると音質が劣化し、逆にCPUの負荷を減らしてやると音質が向上するということが多々ある。

JCATショップの説明によると、SATAは3GB/sあるいは6GB/sと高速だが、このように高速になるほどデータは減衰しやすく、ジッターの影響を受けやすくなる。マザーボードにおまけでついてくるSATAケーブルではこうしたノイズに対して無防備で、音楽データの音質を劣化させるので、高品質なシールド付きSATAケーブルを使う必要がある。SATAには誤り訂正機能もあるが、デジタルオーディオにおいては常にエラーを防止することがエラーを訂正することより優れていると書かれている。
これはやはりビットパーフェクトでもそのためにエラー訂正を行うことになっては音質に影響するということだろう。

また、接続するのがSSDかHDDに関わりなく効果があり、DAC用のUSBケーブルを標準的なものを使うかハイエンドのものを使うかと同じような効果があるとされている。USBケーブルの違いによる音質差はかなりあると思うので、それと同じくらい違うというのが本当なら変える意味は十分あるかもしれない。
ところで、ウチの場合音楽ライブラリはコントロールPC上に置いていない。JPLAYネットワーク(コントロールPCとオーディオPCをつなぐネットワーク)とは別のネットワーク上にあるサポートPCの内蔵HDDに保存しているが、この場合はどうなのだろう?サポートPCのSATAケーブルを変えてもあまり意味がないような気がする。どちらかというとコントロールPCかオーディオPCだろうと思うが、オーディオPCはOSや必要なソフトが起動してしまったら、ほとんど起動ドライブのSSDからデータを読み込むことはなさそうだ。コントロールPCも同様で、コントロールPCにインストールしたFoobar2000を起動したら起動ドライブ内のデータを読み込む必要はない。

音楽データの読み込み時にのみこのSATAケーブルの恩恵があるのなら、JPLAYインストールPCの内蔵HDDやSSDにライブラリを保存していない場合は関係ないということになるが、JCATショップの説明によるとメディアを保存したストレージだけでなく、OSインストールドライブに利用しても効果があるということだ。音楽データを欠落なく伝達することではなく、欠落データのリカバリー処理を減らしてCPUの負担を軽減することに意味があるとすると、確かにOSドライブに利用しても効果があるのかもしれない。

問題は40センチのSATAケーブル1本で250ユーロ=約3万2,000円もするということだ。それなりに研究され効果がある作りになっているのだろうが、素材や構造については説明されていない。
USBケーブルやLANケーブルに比べると、SATAケーブルはオーディオ用を謳ったものはそれほど出回っていないが、シールドされたノイズ対策SATAケーブルも500円台で売られているので、まずはそういったもので効果を確認してからでもいいかもしれない。全く対策が施されていないSATAケーブルから多少ノイズ対策したもに変えて効果が認められるなら、さらにノイズ対策したケーブルに変えるとより多くの効果が期待できるということになる。

ところで、JCATショップでは噂のM12 SWITCH GOLDの取り扱いも始めたようだ。絶大な効果があるらしいが4165ユーロ=53万円というのはさすがに高すぎるのでは?
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