PCオーディオ 2018年08月15日 10:50   編集

かなり落ち込んでいる・・・
ネットワークオーディオの場合LANケーブルによってかなり音が変わるというネットの情報で、評価の高いオヤイデ電気のIS-707を購入したのだ。これは切り売りのイーサネットケーブルで、LANケーブルとして使うにはコネクタをつける必要があるが、通常のケーブルより太いので、使用できるコネクタが限られる。そこで高品質なケーブルに見合う高級なコネクタとしてあのテレガートナーのRJ45 モジュラーコネクタを購入したのだ。これがけっこう高くてアマゾンで1個1650円もする。
IS-707とテレガートナーのコネクタがついた完成品も販売されている。パーツで購入するのとそう大差ない値段で売られている。しかしこれはおそらくストレートケーブルで、JPLAYのデュアルPCモードにはクロスケーブルが必要なので、自分で作らないといけない。

工作方法はネット上で調べてみると、専用工具はいらないがプライヤで締め付ける必要があり、一度使うとやり直しはきかないようだ。このため細かい部分も十分チェックして、クロスケーブルの配置をテレガートナーのコネクタに合わせた配置表までつくって制作に臨んだのだが、できあがったケーブルをテスターでチェックしてみると1本もつながっていないではないか...
これまで自作したLANケーブルでは順番が違っていたり、1本か2本つながっていなかったりという失敗はあるが、8本全部失敗というのは初めてだ。1650円×2+アルファがパーだ。見た目は立派だがもう切り離してターミネーターにでもするしか使いみちがない。
ゴミと化したIS-707とテレガートナーRJ45 モジュラーコネクタ (☍﹏⁰)。
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ところでケーブルのIS-707はシールドのついたSTP(Shielded Twist Pair cable)と呼ばれるタイプのケーブルで、導体は無酸素銅に銀メッキ、シールドはアルミ箔フィルムとスズメッキした銅のメッシュという凝った作りになっている。カテゴリー7対応ということだ。太い割には柔らかくてよく曲がるので使いやすそうだ。
せっかくのIS-707を無駄にするのはもったいないが、再度テレガートナー製に挑戦する度胸はないので、別のコネクタを使ってクロスケーブル完成を目指す。これも太い心線のケーブルでも作業可能というパナソニックのぐっとすプラグという製品を購入。

STPケーブルはシールドがついている分ノイズには強いが、シールドにノイズがたまりやすい、つまり帯電しやすいので、使用法を誤るとかえってノイズの影響が大きくなってしまうという話も聞く。シールドをアースする必要があるということだ。
しかし、STPのアースについて調べてみてもなかなか情報が見つからない。先日壁コンセントにアースを引いたが、これにつないだアース付きのタップにアース付きの電源ケーブルで接続した機器の筐体にでもつないでおけばいいのだろうか。クロスケーブルでつなぐ予定のコントロールPC、オーディオPCのうち、コントロールPCはアース付きの電源ケーブルだ。ということはSTPのシールドをコントロールPCの筐体につないでおけば不要な帯電を防げるのか?
シールドのアースについてはあまり情報がない割には相反する情報も多く、ケーブルの両方をアースした方がいいとか、両方アースするとアースループの原因になる場合があるとか、シールドにノイズが流れまくるのでよろしくないとか、いろいろな情報があるので、結局のところよくわからない。

ぐっとすプラグも専用工具は不要で組み立てられるコネクタだ。素材はプラスチックかなにかのようで、配色も白と青なので、見た目の高級感はまったくない。しかし作業はかなりやりやすい。テレガートナー製品のようにプライヤで締め付ける工程もなく、おそらく失敗してもやり直しが可能ではないかと思う。私の場合、通常のモジュラーコネクタで作業しても失敗が多いので、今後LANケーブルを作る必要があるときはこのぐっとすプラグを使った方がいいかもしれない。作業が終了し、テスターでチェックしてみると無事すべての線がつながっているようだ。シールドのアースは後で考えるとして、とりあえずこの状態でコントロールPC、オーディオPCをつないでみる。
ぐっとすプラグで自作したケーブル
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すると音が激変した。解像度がぐっと上がってクリアになった印象。
元々使っていたケーブルは、クロスケーブルがその辺のPCショップで売っていないので、普通のカテゴリー6のUTPのストレートケーブルを切り詰め、ケーブル自作キットでクロスケーブルに加工したものだ(実はこれを作るのもけっこう苦労した)。
ネットワーク環境によって音が変わるというのは、もはやPCオーディオでは定説となっているようだ。他のケースから推測すると、LANケーブル内を転送されるデータがノイズの影響を受けデータが破損した場合、エラーチェックで復元されるのかデータが再送されるのかわからないが、その場合最終的に正しいデータが送られたとしてもエラーが多いほど復元するためにCPUの負担が増えることになる。そしてCPUの負担が大きいほど音質劣化につながるので、ノイズの影響はできるだけ少ない方が望ましいということになる。
LANケーブルに限らずデータを転送するケーブルはほとんど(USBケーブルやSATAケーブルなど)ノイズ対策をするとそれなりの効果が表れるようだ。言い換えると、パソコン関係のデータ送信は思っている以上にノイズによるデータ破損、復元処理が行われているということだろうか。さらに考えると、ノイズの影響を受けるのはケーブルによって転送されるデータだけでなく、その途中にあるデバイス内の回路でも同じことがいえるのかもしれない。

従来のオーディオに比べていろいろ便利な部分もあるPCオーディオだが、少なくともデジタルデータを扱うからノイズの影響を受けない、ノイズに強いということはほとんど期待できないといえるだろう。
CPUに負担がかかっても音質に影響が出ないような仕組みになっていればそれほどノイズを気にする必要もないのかもしれないが、少なくともJPLAYの場合、オーディオ再生に不要なOS上の処理を極力遅延させることで、高音質を実現しているということなので、CPUの負担がどうしても音質に影響してしまうことになる。CPUの負担を減らすために再生ソフト操作や音声ファイル読み込みといったCPUの負担になる作業と、最終的な音声レンダリングをそれぞれ別のPC上で分けて行うデュアルPCモードが採用されているのだと思うが、その分割によって新たにネットワークという要素が生まれ、そのネットワークがまた音質劣化の原因となるという悩ましい状況だ。

ケーブルは強力なシールドがあるが、アルミダイキャスト製のテレガートナーのコネクタに比べるとプラスチックメインのぐっとすプラグはノイズに弱そうだ。そこでコネクタ部分は銅箔テープで覆ってしまうことにする。時間経過とともにノイズが蓄積して悪影響が出ないように、アース付きの電源のあるコントロールPCの筐体にでもアースを落とそうかと思っている。その前に電位チェッカーで各オーディオ装置の電位を測ってみるべきかもしれない。
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