LPデジタル化計画 2009年04月20日 11:16   編集
iVIS HG10で撮影した映像の再生はパソコンに頼るしかないようだが、いちいちDVDに焼くのは面倒だ。
ビデオカードをDVI×2出力のもの(EN8600GT/HTDP/256M)に変更して1本をプラズマにつないだ。こうすれば、パソコンからビデオで撮影した映像が見えるので、映像ファイルをハードディスクに保存するだけで済み、楽だ。ハードディスクから直接再生するとなると、iVIS HG10に同梱されていたWinDVD SEで再生することになるのだが、やはりおまけだけあって上位版にあるほとんどの機能が省略されており、イマイチ使いにくい。
特にファイルが増えてくるとどのファイルがどのような映像だったかわけわからなくなってくるので、サムネール表示機能は是非とも欲しい。WindowsのExplorerなどでは、M2TSのサムネールは表示してくれないので、なんとかプレイヤーで対応してほしいところだ。

最悪のWinDVD Plus


AVCHD対応のプレイヤーはフリーウェア含めていくつかあるようだが、ビデオカメラに付属していたこのWinDVDの上位版にするのが無難かなと安易に考えてしまったのだが、これが大失敗だった。
上位版はWinDVD9ということになるのだろうが、WinDVD9はAVCHDに対応していないということなので、さらに高いWinDVD9 Plusにする。おそらく機能省略版だと思うSEでもAVCHDに対応しているのに、なんで?と思うが深く考えなかった。今にして思うと体験版を試してみれば良かったと思う。

相当評判の悪いソフトであることは、ネットでの情報などからある程度覚悟はしていたものの、ここまでひどいとは思わなかった。

まずとんでもなく重い。


ウチの環境は、WinDVD9 Plusのマニュアルに書いてある「Blu-ray ディスクおよび HD DVD ディスクの再生」のための推奨システム要件(AVCHD再生のための要件というのは書いてなかった)である
Core2 Duo 2.13 GHz以上、メモリ1GB以上、グラフィックスカードGeForce 8400 以上は満たしている。

にもかかわらず、起動に1分以上、プレイリストの読み込みに2分、さらにファイルを選んで再生するまでにさらに数10秒もかかる。
肝心の再生画像の画質だが、全体にかげろうがかかったようにゆれて、とてもまともに見られるものではない。
データ量の多いハイビジョン画像を扱うのだから、ある程度重くなるのもやむを得ないと思うが、WinDVD SEではある程度サクサク動いていたのに、なぜこのようなことになるのか。はっきり言って、とても金を取って売れるようなしろものではないと思う。

インターフェイスもお粗末だ。ソースメニューに「ファイルから開く」、「フォルダから開く」というのがあるので、これからAVCHDファイルが開けると思うのが普通だと思うが、開けない。WinDVD SEでは同様の操作でm2tsファイルが再生できるのだが。
「フォルダから開く」にしても、「選択されたフォルダには有効なDVDイメージがありません」と出る。DVDだけじゃなくてブルーレイやAVCHDの再生も謳ってるんじゃなかったっけ・・・

マニュアルにもAVCHDファイルの再生方法の説明がないので、いろいろ試したところ、プレイリストを作ると再生できることがわかったのだが、このプレイリストがまたひどいしろものだった。まず起動が遅くてイライラさせられる。その間は他のアプリを巻き込んでPCをフリーズさせてくれる。このプレイリストにファイルやフォルダを追加するのだが、フォルダを指定して実際にファイルが追加されるまで1分以上かかり、その間またフリーズする。このプレイリストは単に「20080621184800.M2TS」のようなファイル名が表示されるだけで、サムネール表示などの機能はない。ファイル名のリストを作っているだけなのだが、それだけでなんでこれだけ時間がかかるのかが理解できない。いったんプレイリストを作ったら、次からの起動は速いだろうと思ったら、またまた1分以上待たされる。ご丁寧に再検索しているのか・・・

さらに、このプレイリストはサイズ変更ができないので、広げてもっと広い範囲を見ることも、じゃまなのでちょっと小さくしておくということもできない。こんなプレイリストならない方がましだ。少なくとも私は使いたくない。なんとかプレイリストも使わずM2TSファイルを再生する方法がないか調べてみた(そのために買ったソフトで、ここまで苦労させられるとは思っても見なかった・・・)。
WinDVD SEの場合、M2TS拡張子をWinDVD SEに関連づけることでM2TSファイルのダブルクリックで開けるようになったのだが、Plusの場合、それもうまくいかないようだ。結局、唯一うまくいったのは、ファイルのドラッグ&ドロップだけだった。いったいAVCHDの再生はどのような使い方を想定しているのか聞いてみたい。

このままだと、本当に捨てるしかなかったのだが、CORELのサイトからアップデータをダウンロードして当ててみると、起動はかなり速くなった(といっても、フリーウェアのOXYGEN AVCHDプレイヤーに比べると5倍くらい遅い。しょーもない起動時のアニメーションなんかなくせばいいのに。)。それと、プレイリストのとろさと役立たずは相変わらずだ。

AVCHDフルサポートというのはいったいどういう意味なのか。m2tsファイルはWindowsのExplolerなどでは、サムネール表示できないので、m2tsが読めるソフトでのサムネール表示を期待したのだが、今回は完全に私の失敗だった。

サムネールなしだと、とてもハードディスクへの直接保存だけでは管理が難しいので、なんとか別の方法を考えることにする。
カメラに付属のバックアップソフトHGBACKUPを使うと、MTSファイルのほかにも、jpgのサムネール画像が保存されるようだ。これはどうもカメラの液晶ファインダー表示用にカメラ本体で作られたサムネールをそのままコピーしているだけのようだ。このサムネールはカメラに保存されている映像に連番を振っただけのファイル名になるので、M2TSファイルと連動させるのは難しいようだ。AVCHDファイルの管理は自動的に撮影年月日名のフォルダに保存されるM2TSで行いたいので、このサムネールは使えない。

やむを得ずCGIでM2TS再生


WinDVDのSEになくてPlusにはある機能として、制止画キャプチャー機能がある。せっかくだから、この機能を使ってサムネールを作ることにする。
サムネールで再生する動画を選び、そのサムネールをクリックすると、M2TSファイルを再生するという風にしたいのだが、しょうがないので、またもCGIでやることにした。
ハードディスク上のM2TSファイルを検索し、そのM2TSファイルを再生するためのリンクに、同名のサムネール画像を貼り付けるという感じだ。

ところで、Plusのキャプチャー機能だが、これがまた使いにくい。キャプチャーボタンを押すと、画像表示リストが表示され、撮影ボタンを押すと、制止画が保存されるが、画像サイズや、画像形式、キャプチャーファイルの名前など一切カスタマイズできず、capture(連番)という名前の1920×1080(動画ファイルと同じサイズか)のbmpしか選べない。せめてM2TSファイル名を頭につけるオプションでもあればだいぶ助かるのだが、しょうがない。
それと、キャプチャー関係でかなりやばいバグがあった。再生を一時停止した状態にしてキャプチャーすると、100%の確率でフリーズする。こうなると、WinDVD9 Plusを強制終了するしかなくなるが、そうするといきなりブルースクリーンになってOSが強制再起動となる。ハードディスクに書き込みなどしていたら、一発で壊れていただろう。一時停止させて静止画キャプチャーするなんて、よくやることだと思うのだが、これはウチの環境だけの問題なのだろうか。

停止状態でのキャプチャーができないので、けっこう忙しい。M2TS再生をはじめてキャプチャーリストが表示される頃にはだいぶ再生が進んでしまっているので、頭付近まで巻き戻してキャプチャーしなければならない。もっともこれは必ずしも頭の絵ではなくても動画ファイルがわかればいい。せっかく手作業でキャプチャーするのだから、いい絵を探してキャプチャーしたほうがいいだろう。
すると、キャプチャーフォルダにcapture01.bmpというようなファイルができているので、これを元のM2TSファイルにつけられている20090104223648というような名前に変更する。
1920×1080のbmpをそのまま使うわけにはいかないので、サイズを縮小してjpgに変換する必要がある。これはフリーウェアのiviewでまとめて行えるので、たいした手間ではない。

ここまで手作業でやったら、あとはCGIに任せる。
cgiでWinDVD PlusにM2TSファイルを渡して再生させる方法だが、よくわからなかったので、バッチファイルを使うことにする。M2TSファイルに関連づけたリンクを押すと、
WinDVDのパス M2TSファイルのパス
を書いたバッチファイルを作成し、リダイレクトでそのバッチファイルを実行するという仕組みだ。リンクボタンを押すと、保存・実行ダイアログで、実行ボタンを押さなければならないというのが一手間かかるが、これはブラウザの設定で何とかなるのか。
リダイレクトの直後にバッチファイルを削除してしまうと実行できないようなので、バッチファイルは次のCGI実行時に削除することにする。

ということで、以下作ったM2TSファイル再生用CGIを紹介する。

なお、ホワイトブラウザやPicasaでM2TSのサムネールが表示されるという情報もあるのだが、ウチでは表示できなかった。コーデックかなんか入れると表示されるようになるのだろうか。Picasaではサムネールは全て黒味になってしまうが、再生は不安定ながら対応してそうな気配なのでおしい。そのうちアップデートで対応してくれるようになるとありがたいが。

play_avchd.cgi


このCGIはWEB上に設置するものではなく、あくまでローカル環境で使うためのものだが、いちおうサンプルをアップしてみた。
ローカルにあるファイルを再生することを想定しているので、サムネールをクリックしてもサーバー上のファイルを再生することはできない。
サンプル
Corelのバックアップソフトで作成されるフォルダ構成に従って、$movie_folder内に作られた「20090112」(年月日)のようなフォルダ内にある「20090112152100.M2TS」(年月日時分秒.拡張子)のような名前のファイルを再生するリンクを表示する。このM2TSファイルと同じ名前のJPGファイルがあれば、リンクにサムネールを表示する。$movie_folderの指定やAVCHD再生に使用するプレイヤー、対象となるファイルの拡張子などは、設定画面で指定する。
実際には再生するファイルはM2TSやMTSだが、サーバーにそんな重いファイルをアップしたら大変なので、サンプルではmpgやwmvも再生する対象にしており、プレイヤーはAVCHDプレイヤーではなく、Windowsメディアプレイヤーを使う設定にしている。

おまけとして動画への一言コメントの入力と表示、年・月・日単位でのサムネールの表示/非表示切り替え機能などがついている。
サムネールを表示するためには手動でプレイヤーからキャプチャーしなければならないというのがめんどうだが、M2TSのサムネールが表示されないのはもっとストレスがたまるという方は、試してみる価値があるかもしれない。ただし、ローカルでCGIが動くことが条件だ。

Windows7でM2TS再生


Windows7ベータをインストールしてみたのだが、Windows7ではM2TSファイルがExplorerでサムネール表示されるようだ。デフォルトでWindowsメディアプレイヤーに関連づけられているようで、もちろん再生もできる。画質もWinDVD9よりきれいだ。WinDVDではインターレース付きの30fps、Windows7ではそれを60fpsのプログレッシブに変換して再生しているという感じ。
うーん、これができるんなら何も苦労する必要はないのだが。あんな出来損ないのWinDVD9 Plusを買う必要もないし。
XPでも、なにかコーデックを入れてやるとメディアプレイヤーでM2TSが再生できるようだ。しかし、サムネールは表示されない。
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