LPデジタル化計画 2009年04月20日 11:19   編集
保存するファイルが増えたので、どんどんハードディスクの空きが少なくなってくる。内蔵HDDはすでに6個のHDD用ベイを使い尽くしたので、外付けのHDDを購入することにする。
USBタイプのは、アクセスが遅いので、E-SATA接続のを探したが、一体式(というのか?箱の中にHDDが入っているタイプ)のはけっこう高い。2TBで5万円とか、4TBで26万円もするのもある。GBあたりの価格は20円台から60円台。
内蔵タイプのHDDの値段が下がっているので、内蔵タイプとハードディスクケースを買うことにした。

SATAボックスレイド


センチュリーのSATAボックスレイド EX35PM4B-PE \20,700
これに1TBのWD10EADS \7,765×4
を入れることにする。1TB4個で合わせて4TB \51,760
これだと、約13円/GBとなってかなり安くすむ。
SATAボックスレイドはポートマルチプライヤ*1対応のE-SATAで、RAIDも使えるというのにちょっと惹かれた。E-SATAなので、RAIDにしなくても、USB接続よりはアクセスは速いだろうが。

P5B-D@P180にはe-SATAコネクタはあるが、RAIDを使うには、付属のe-SATAインターフェースカードを使うように指定されている。マザーボードに標準でついているe-SATAコネクタはポートマルチプライヤに対応していないケースが多いからのようだ。
インターフェイスカードは、PCI Expressのスロットに差し込むタイプで特に問題はない。SATAボックスレイドへのHDDの取り付けも特に問題はない。HDDをレールに沿って押し込めば、奥にあるSATAコネクタに勝手に刺さるようになっているので、取り付けは簡単だ。差し込んだ後、両サイドから手回しネジで固定するようになっているが、差し込んだだけでしっかりとホールドされている感じだ。両サイドのネジはEX35PM4B-PEのカバーを外さないと取り付けられないが、このネジを省略したら、HDDの交換はかなり手軽に行えるのではないかと思った。

EX35PM4B-PEは、4個のHDDをそれぞれ単独で動かすことも、合体させて1つのドライブとして使うこともできる。RAIDはストライピング、ミラーリング、ミラードストライピング、パリティ付きストライピングが選べる。一度選んだらほかのモードには簡単に変更できないので、どれにするか決める前に、各モードでのアクセススピードを調べてみた。
HD Tuneで調べてみると、Transfer Rate Averageで
独立モード      75MB/sec
ストライピング      105 MB/sec
ミラードストライピング      95 MB/sec
パリティ付きストライピング      35MB/sec

WD10EADSは5000回転らしいが、単体でアクセスしてもそこそこ速いようだ。USB外付けのハードディスクはもちろん、内蔵の古いSATA接続のHDDより速い。
(ついでにほかのHDDも調べてみたが、前回購入したWDC WD6400AAKS-27A7Bが90MB/sec以上と、かなり速いのに驚いた。)

RAIDでは、ストライピングが当然一番速いが、4個のハードディスクのうち、1台でも壊れると全体のデータが壊れる。データクラッシュの危険が4倍に増えることになる。
パリティ付きストライピングはかなり遅いという噂だったが、本当に遅かった。これだとRAIDにした意味がない。

ミラードストライピングもそれほど速いという印象ではない。独立モードと大差ないが、安定はしている。使える容量が半分になってしまうが、4TBの半分の2TBも使えれば、当分容量に不足はないだろうということで、しばらくミラードストライピングで運用することにする。重要なデータはどちらにしてもバックアップの必要があるから、バックアップの手間がかからず、アクセスが速くなったと考えればいいだろう。
ストライピングにしたらHD Tuneでも、ひとつのドライブと認識されるようだ。SMART情報も見られる。温度も表示されるが、これはは4台の平均だろうか?これによると、ほかの内蔵ドライブに比べてかなり冷えているようだ。今は室温が低いせいもあるだろうが、常に30℃以下を保っている。その代わり、ファンの音がけっこううるさい。EX35PM4B-PEのファン1個でP5B-D@P180よりもうるさい。これだけ冷えるのであれば、ファンを回転数変更できるタイプのものに交換してゆっくり回してもいいのではないかと思った。

ファン交換


ということで、オウルテックのF8-SS \2,280
回転数1,300rpm ノイズ12dB 風量0.46m3/min
というのに交換することにする。12dBということで、さすがに静かになった。
F8-SSに限らず、ケース用ファンの電源ケーブルは3ピンか4ピンになっているのが多いが、元からついていたファンは2ピンタイプだったので、2ピン-3ピン変換ケーブルをはさんだ。冷却能力だが、交換後も20度台をキープしているので特に問題はなさそうだ。

運用


スピードアップ+データの保護が目的なので、ウチで頻発する停電のせいでRAIDが壊れたらたまらない。なのでSATAボックスの電源も無停電電源装置からとることにする。そのほかのUSB接続の外付けHDDもUPSからとりたいところだが、あまりタコ足になるのも考え物なので、USBタイプのは普段は電源を落としておく。
SATAボックスのミラードストライピングというのはストライプされた領域をミラーリングするもので、RAID0+1などと呼ばれているものらしい。逆に先にミラーリングしてからストライプするタイプはRAID1+0とかRAID10と呼ばれて微妙に違うらしい。
→PC/RAID01とRAID10?
いずれもRAIDを構成するHDDのうち1個が壊れた場合は、データが復旧できるが、同時に2個壊れたときにはRAID10の方が復旧できる確率が高いらしい。RAID10の場合は2/3、一方RAID0+1の場合は1/3の確率でしか復旧できない。(HDD4個の構成の場合)

どちらにしても普通のハードディスクに保存するよりは信頼性はアップすることになると思う。これまで重要なデータであるビデオやデジタル化音楽ファイルはまず内蔵HDDに保存後、ほかの内蔵HDDにバックアップしていたが、より安全性を考慮するなら、まずRAIDに保存後、内蔵HDDにバックアップした方がいいかもしれない。

RAIDコントローラ入れ替え


RAID5が極端に遅いのは付属のRAIDコントローラが安物のためという話を聞いたので、まともなものに変更してみることにする。評判が良さそうなHighPoint社のRocketRAID2314を発注。HighPointのサイトで、eSATAとポートマルチプライヤ対応を謳っているのはRocketRAID2302だけだったが、2314もドライバのアップデートでポートマルチプライヤに対応するらしい。それにEX35PM4B-PEでの使用例の報告はほとんど2314なので2314を選ぶ。2314の方が2302よりちょっと高いが(2万円くらい)、eSATAコネクタが4個もある。

SATAボックス付属のeSATAカードを外してからRR2314を取り付けようとするが、PCI-Express x1スロットに入れようとして入らず、ちょっと焦った。x4 x8 x16スロットに対応ということなので、未使用のx16スロットに挿す。

SATAボックスをつないでPCを起動すると、ユーザーガイドの説明通り、起動時にRocketRAID BIOSユーティリティが起動するが、この時点ですでに接続した4個のハードディスクを認識しているようだ。BIOSをアップデートしないとポートマルチプライヤに対応しないのかなと思ったら、もうすでに対応済みのようだ。そのまま放っておくと、普通にOSが起動してしまった。

XPが起動すると、新しいハードウェアが見つかりましたというウィザードが出る。
ユーザーガイドの「既存のWindowsにRocketRAIDドライバをインストールする」の説明に従って、あらかじめ作っておいたドライバインストールフロッピーからインストールする。ガイドによると、インストール後の「再起動するか」の問いには「No」を選び、続いて2度目のハードウェア検出ウィザードが出るので、上記の手順を繰り返すということだったが、2度目は出なかったので、そのまま再起動する。

今度はBIOSユーティリティ起動時にCtrl+Hを押してBIOSユーティリティにアクセスしてみる。RAID管理ユーティリティをインストールすると、Windows上からRAIDを作成することもできるようだが、このBIOSユーティリティでもRAIDを構築できるようなのでここで作ることにする。

冗長RAIDを作るにはハードディスクを初期化しておかなければならないということなので、InitializeコマンドでHDDを4個とも初期化する。これは一瞬で済むようだ。
HDD4個とも使ってRAIDを作成することにする。RockeTRAIDでは、RAID5でもそこそこ速いらしいが、RAID10のほうが、スピードも信頼性も高そうなのでRAID10にする。RAID5だと4TBのHDDのうち3TBが実質の容量として使え、RAID10だと4TBのうち半分の2TBしか使えないと、容量の面では不利だが、XPではどうせ2TBまでしか認識されない。ダイナミックディスクにしたり、RAID5で1.5TBずつの複数のアレイを作るという方法もあるらしいが。
ユーティリティを終了しOSを起動する。

Windowsの「コンピュータの管理」-「ディスクの管理」ウインドウで新しいパーティションを作り、ドライブ文字を割り当てる。今回はクイックフォーマットではなく、普通のフォーマットをやってみる。4時間ぐらいかかった。
RAIDドライブがマウントされると、早速ベンチマークを試してみる。使用したのはCrystalDiskMark

SATAボックス付属カードでミラードストライピングにした時は
Sequential Read :     108.9 MB/s
Sequential Write :     51.54 MB/s
Random Read 512KB :     43.99 MB/s
Random Write 512KB :     54.48 MB/s
Random Read 4KB :     0.596 MB/s
Random Write 4KB :     1.884 MB/s

だったのが、
今回は
Sequential Read :     122.415 MB/s
Sequential Write :     72.586 MB/s
Random Read 512KB :     47.501 MB/s
Random Write 512KB :     86.903 MB/s
Random Read 4KB :     0.833 MB/s
Random Write 4KB :     2.352 MB/s

だった。どの項目もスピードアップしているが、劇的というほどではない。
SmartHDDやCrystalDiskInfoなどのハードディスク情報を表示するソフトで、これまではSMART情報が得られていたのが表示されなくなった。

RocketRAIDのマニュアルにはS.M.A.R.T.対応っぽいことが書いてあったのだが、付属CDからインストールするRAID管理コンソールからのみ、S.M.A.R.T.情報が得られるということのようだ。そのRAID管理コンソールをインストールしてみることにする。

RAID管理コンソール


付属のCDから「Install RAID Management Software」でRAID管理ソフトをインストールする。「Management Console」と「Service Manager」というソフトが追加されるようだ。
「Service Manager」はよくわからないが「Management Console」の方を起動してみる。
ユーザーガイドによると、ログオンするまでRAIDアレイを操作できないとある。デフォルトのユーザー名「RAID」とパスワード「hpt」でログオン後、プロンプトに従ってパスワードを変更する。
頻繁に使いそうなのはManagementメニューのArray ManagementやDevice Managementか。
Array ManagementでRAIDアレイを作成したり、削除したりできるようだが、すでにBIOSユーティリティで作っているので、そのRAIDアレイが表示されている。
また、このウインドウでRAIDのベリファイやリビルドができるようだ。
試しにベリファイを実行してみると、エラーメッセージのようなものが出て、リビルドを始めた。壊れていたということか?完了するのにかかる見込み時間は結構長い。リビルド中は結構PCが重くなる。一度リビルドが終わると、もう一度ベリファイしても、リビルドは行わず、ベリファイ実行中となる。これもかなり時間がかかるようだが、リビルドの時のように重くなることはないようだ。データの信頼性確保のためにはベリファイを定期的に行う必要があるということなので、管理コンソールでスケジュールすることにする。
これはManagementメニューのTask Managementから設定する。
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