LPデジタル化計画 2009年04月20日 10:48   編集
内蔵ハードディスクを追加するためにフロッピードライブをはずしたPCだが、さすがにフロッピー挿入口からハードディスクが見えているのは不体裁だし、ほこりの侵入も気になる。メモリテストなどでたまにフロッピーを使いたいときもあるし、小音量で音楽再生時にファンノイズが気になることもある。そんなこんなでケースの交換を思い立った。

現在使っているのはIBMのEPro 6224-42Jというものだ。
実は少し前、会社で廃棄されたIBMのMProの筐体を使ってパソコンを組もうとしたことがあるのだが、MProのマザーボードが取り外せずに挫折してしまったという苦い経験がある。同じ失敗を繰り返さないよう、まずEProのマザーボードはちゃんと外せるのか確認しておく。MProはマザーボードの取り付けねじの一つがはめ殺しになっていたため、外せなかったのだが、EProは大丈夫のようだ。ATXではなく、一回り小さいマイクロATXのマザーボードのようだ。

MProのケースの代わりに急遽購入したAntecのSOLOというケースがけっこう使いやすくて値段も手頃(\12,980)だったので、今回の自宅PC用ケースにもSOLOを使おうかなとも思ったのだが、同じもの使うのも芸がないと思って、同じAntecのP180というケースにする。新製品のP182というのも出ているが、水冷用の穴があるかどうかぐらいが違いのようなので、新製品発売で値段も下がったP180にする。水冷化する予定もないし・・・
サイズはSOLOと比べても一回り大きい。マイクロATXのマザーボードをこの大きいケースに入れるのもどうなんだろうという気もするが、そのうちマザーボードを交換することもあるだろう。EProの拡張ベイは5.25インチ、3.5インチ各2個ずつしかなかったが、P180は5.25インチベイ4個、3.5インチベイはフロッピー用は別として6個分のベイがある。これはかなり拡張性高そうだ。

計画としては、現在EProに入っているハードディスクやマザーボードそのほかをそっくり新しいケースに移設しようというもの。起動ドライブをほかのPCに移設する際、そのまま入れ替えただけでは、STOPエラーが出て、起動できないことがあるらしいが、今回はマザーボード込みの移設なので、たぶん大丈夫だろう。

電源


実際に組んでみると、結構手がかかる部分が多かった。
まず電源の取り付け。このケースは電源ユニットを後方下に取り付けるという変わったレイアウトを採用している。また、電源用ケージが付いていて、電源をそのケージに入れてからケースに取り付ける方式になっているのも、他のケースと違うところだ。このケージを取り外さないと電源が取り付けられないが、通常よく外す(前方から見て)左側のサイドパネルだけでなく、右側のサイドパネルも外さないと、この電源ケージのねじが取り外せない。
ケース内は上部のマザーボードエリアと下段の電源エリアに分かれていて、仕切りで区切られている。電源エリアは後方に電源ユニット、前方にハードディスク用ベイがあり、その間に12cmファンがある。このような構造になっているため、電源ユニットから出ているケーブルの処理がやりにくい。
たとえば、下段ベイに取り付けたハードディスクに電源ケーブルをつなぐには、後方電源エリアからいったん上部のマザーボードエリアにケーブルを出して、それから前方下部のハードディスクエリアに入れなければならない。各部屋に通じる穴が結構狭いので、堅いケーブルをうまく通すのは骨が折れる。
電源は同じAntecのNeoHE550にした。これは電源ケーブルが取り外しできるタイプだ。使用しないケーブルは取り外しておけるので、不要なケーブルでケース内がごちゃごちゃになるのが避けられるというメリットがある。しかし、今回ケーブルをすべて外した状態で電源を設置してしまったので、電源ユニットの6ピン出力ソケットに電源ケーブルを挿すのが、前方の12cmファンがじゃまになって非常にやりにくかった。
扱いやすさより、冷却性能を重視したケースということで、エアフローの妨げになりやすいケーブル関係をできるだけすっきりさせるためにこのような設計になっているのだろうから、仕方がないのかもしれない。電源はそうしょっちゅう入れ換えるものでもないし。

マザーボード


続いてマザーボードを取り付ける。マザーボード取り付け用のマウンターは、最初からいくつか取り付けてある。このため追加して取り付けるマウンターの数は少ないが、なぜか最初から付いているマウンターと追加のマウンターの色と形が違う(最初から付いているのは銀色で丸形、追加用は真ちゅう色で6角)。高ささえ合えば問題ないのだが、なんでわざわざ違う部品にしているんだろう?
さすがにマイクロATXのボードを取り付けるとスカスカの状態になる。
マザーボードの電源コネクタは旧式の20ピンタイプで、電源ユニットから出ているマザーボード用電源ケーブルのコネクタは24ピンとなっている。20ピンマザーボード用に4ピン分は取り外しできるようになっているので、外してから差す。

続いて、しばらく取り外したままになっていたフロッピードライブを取り付け、電源とIDEケーブルをつなぐ。

ハードディスクは下段ベイに4個と中段ベイに2個取り付けられるようになっているが、下段ベイにつけることにする。

上段ベイにはCDドライブとMOドライブを取り付ける。ケーブルは以前つながっていたようにプライマリのマスターに起動用のパラレルATAハードディスク、セカンダリのマスターにCDドライブ、スレーブにMOドライブをつなぐ。

拡張カードはビデオカードとSATAカードだけつなぐ。EProにはSCSIカードと、もう一つなんなのかわからないカードがささっていたが、たぶんいらないだろうと思って廃棄する。SCSIデバイスはなにもないし、起動してみて何か問題が起きたら考えることにする。

システムパネルコネクタ


苦労したのは、システムパネルコネクタとフロント用USBコネクタの接続。
マザーボードのシステムパネルコネクタは電源スイッチ、リセット、電源LED、ハードディスクアクセスとなっているようで、各2ピンの8ピンだが、どれがどれだかよくわからない。ケース側のケーブルはそれぞれ分かれていて、電源LED用が3ピンとなっているので、これを使うのはあきらめる。その代わり、ケース用ケーブルには、HDDアクセスLEDが2つあるので、このうちの一つを電源用LEDのコネクタに差すことにする。EProについていたシステムパネル用ケーブルをたどって、どれがどのピンかあたりをつけながら、試行錯誤の上やっと電源スイッチピンを探り当て、起動に成功。何度か差し替えているウチに、LEDもなんとか点灯。

USBコネクタ


USBコネクタはマザーボードのピンとケース側のコネクタの配列が違うのではめられない。仕方がないのでEProから取り外したフロント用USBポートをケーブルごと差して、5.25インチのベイカバーの一つを外してそこからポート部分を外に引き出すという応急処置を施した。非常に見た目が悪く、P180のフロントドアも閉められないという状態になってしまった。
さすがにこのままではあまりにも体裁が悪い。マザーボードのUSBコネクタについて調べてみると(参考URL)、USBコネクタの一番端のピンは差し違え防止用のダミーらしい。マザーボードやケースによってダミーのレイアウトが違う場合があるようだが、肝心な部分は同じである可能性が高いということなので、ケーブルのコネクタの詰め物をマザーボードのピンレイアウトに合わせて差し替えた上で、差してみる。するとケースのフロントUSBポートも見事稼働。電源供給タイプのデバイスも動くようだ。

パーツの組み込みがひととおり終わって起動してみると、なんてことなく起動。起動後の環境も変わったところはないようだ。SCSIボードをはずしたので、起動時に「SCSIなんたら」というメッセージが出なくなった。
しかし、冷却性能重視したケースという割にはハードディスクの温度がEProの時に比べて高い。おかしいなと思ってケースを開けてみると、下段ハードディスクベイ後ろの12cmファンが回っていない! ハードディスクに差した電源ケーブルがファンにあたって引っかかっていたのが原因とわかる。下段ファン周りは特にケーブルがごちゃごちゃするし、ファンの防護用ネットがついていないためだろうが、ケーブルの結束さえちゃんとやっていれば特に問題はないだろう。P180についているファンはどれもネットがついていないので、要注意だ。

期待していた静音性だが、たしかにEProに比べると静かになった印象。ファンスピードはマニュアルの勧めに従ってすぺてLowに設定。P180は冷却性能が高いので、ノイズが伝わりやすい上部ファンを殺して送風口をふさいでしまっている人もいるようだが、そこまでやる必要はないだろう。

とりあえず、当初の目的は達成。しかし外見が変わると中身も替えたくなるのが人情。とはいってもCPUをアップグレードするとなるとそう簡単にはいかない。CPUを替えるにはマザーボードを替えなければならず、そうなるとOS、メモリ、さらにはグラフィックスカードも新たに購入しなければならない可能性が高いからだ。LGA775ソケットがついて、AGPのグラフィックスカード、DDRメモリが使えるというマザーボードもあるようだが、種類は少なそうだ。いずれにしてもこのところ出費がかさみ、P180購入で完全に資金が尽きたので、次のボーナスが出るまで動きようがない。
counter:2,467